2009年 02月 25日
写真展「古きよきパリの街並 写真家アジェの仕事」
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ミューザ川崎シンフォニーホールで、「 古きよきパリの街並 写真家アジェの仕事 」が開催中。
2009年2月21日(土)~3月15日(日) 3月2日のみ休
開場時間:11時~19時
入場無料



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パリを撮影した写真家は星の数ほどいるけれど、ブレッソンとアジェは特別だ。
ジャン=ウジェーヌ・アジェ Jean-Eugène Atgetは1857年にフランスで生まれた。
彼が写真をはじめたのは40歳・1898年頃からと言われている。
アジェはひたすらパリの街を撮り続けた。
彼の写真は、パリの美術館や図書館などが資料として、また画家が絵の素材のために買っていった。
(彼の写真を買った画家にユトリロや藤田嗣治がいる)
彼の作品が資料ではなくアートとして評価されたのは、70年の生涯を閉じた後であった。
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アジェが多く使用したのはガラス乾板(フィルムではなくてガラスに感材が塗られたもの)で木製の暗箱カメラだった。
街に人物が写るのを嫌い、早朝に撮影されることが多かった。
アジェの写真は時間が止まったかのようだ。
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アジェの撮る街は、斜めから撮られていて、巧みに立体感が表現されている。
じっと見入ると、その時間の湿度や温度が伝わってくるようだ。
ブレッソンの写真が'動'なら、アジェの写真は'静'だ。
でもそれだけではない。
ブレッソンは鑑賞する人々を、力づくでパリに連れてくる。
アジェは鑑賞する人々の前に、パリを持ってくる。
ブレッソンは存命中から数々の栄光とともに歩んでいた。
アジェは貧窮の中で没した。
二人に共通しているのは、最初は画家を目指していたということ。
写真よりも絵画が好きだったということ。
でも、誰よりも深く写真を愛し、写真に愛された。
そしてこよなくパリを愛した。
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アジェの作品は、写真を撮らない人、パリに興味のない人には退屈に見えるかもしれない。
資料としての撮り方をしていたから。
好きな写真家としてアジェをあげると怪訝な顔をされることが多い。
表現が均一だとか資料だとか言われる。
実際に人気は圧倒的にブレッソンやドアノーのほうが高いだろう。
それでもなお僕はずっと大好きな写真家として、アジェの名前を言い続ける。

上記写真は、2月のモノクロイベントでの撮影会で撮った横浜の写真。
アジェの記事に添えるには厚顔無恥もいいところだけど、、、
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アジェの写真に興味のある方は、是非川崎へ。

注1
今回の展示はアジェのオリジナルプリントではなく、ピエール・ガスマンによる復元プリント。
オリジナルは鶏卵紙といいセピアがかったぬくもりのあるプリントで、
それに比べると正確な描写ではあるけれど冷たい感じになっている。

注2
この展示は専門のギャラリーではなく、ミューザ川崎シンフォニーホール 企画展示室という場所。
入場無料であるため通りがかった人々が会話しながら入ってきたり、それを注意する学芸員も不在なので、
耳栓あるいはiPodなど(逆に他人に音量もれで迷惑をかけないように)を持参されたし。
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by sekigawa88 | 2009-02-25 22:06 | exhibition


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