2010年 09月 10日
「ミラーレス一眼と一眼レフカメラはどう違うのですか?」 最近この質問をよく受けるので、説明してみます。 まず、二眼レフと一眼レフというのがあります。 二眼レフはレンズが縦に二つあります。 上のレンズは、ファインダー用(画像確認用)。 下のレンズが撮影用。 このカメラの欠点は、上からのぞくために構図を縦横変更しにくいこと(なので正方形フォーマットです) そして左右が逆に見えます。 そして一眼レフカメラ。 二眼レフとは異なり、レンズは一つです。 この意味だけで言えば、キスデジなども、コンパクトデジカメも、携帯電話のカメラも、みんな一眼です。 では、“レフ”とは。 英語で、Single lens reflex cameraと言い、このreflexをカタカナにして短縮したもの。 (ちなみに長いので英語圏の人はSLRと略します。この頭にDigitalがつくと、DSLRとなります。) さて、このreflex、鏡ですね、カメラの内部にミラーがあります。 分解するとこんな。 内部にあるミラーが見えますか? レンズを通して入った光はミラーで上に跳ね上げられます。 カメラのトップには五角形のプリズム(ペンタプリズム)があり、 そこを通り、ファインダー内に画像を見ることができます。 レンズを通して入った画像は、左右天地逆に見えるものです。 それをミラーとプリズムを使うことで正像にします。 二眼レフの場合、ミラーを使っているので、天地は正しく、左右が逆になります。 一眼レフはミラーとペンタプリズムを使い、左右天地が正しい正立正像として見られます。 一眼レフはフィルム時代からデジタルまで継承されているスタイルです。 フィルムの代わりにCCDなどのイメージセンサーに変わっただけで、 その基本構造は変わっていません(細かい変更点はたくさんありますが) この一眼レフには欠点がいくつかあります。 内部にミラーが必要なので、その寸法分の厚みが必要なこと。 上部にペンタプリズムとファインダーのぞき穴があるので、 その分高さが必要になります。 つまり大きいのです。 軽量化は材質を工夫することで、かなり軽い機種ができましたが、小型化に限界があります。 そこで、このミラーとペンタプリズムを取り払った機種が開発されました。 ミラーレス一眼と呼ばれるものです。 コンパクトデジタルカメラと違い、レンズ交換も可能なので拡張性があります。 ミラーレス一眼の欠点は、常に背面液晶で画像を確認しながら撮影するので、 バッテリーのもちが悪いこと。 Nikon D3000(デジタル一眼レフカメラ)の場合、フル充電で1100枚ぐらい撮影できますが、 E-P1ではフル充電しても300数十枚が限界です。 そして液晶パネルは一眼レフの光学式ファインダーに比べると、 正確なピントあわせは苦手です。 オートフォーカスの遅さは、各所で指摘されている通りで、特に夜景などは苦手です。 大きく異なります。 それぞれに一長一短がありますので、購入を検討されている方は、 ショールームや量販店などで実機を触ってみて下さい。 注1: 上の写真、二眼レフは、二眼レフフィルムカメラではなく、それを模した小型のトイ・デジカメです。 注2: 上の図、光の入る線はいい加減な作図で、実際の正確な線ではありません。 参考文献: 「ドイツカメラの本 (小学館文庫)」 「クラシックカメラ倶楽部(小学館)」 「往年のオリンパスカメラ図鑑 (エイ文庫)」 「ローライフレックスの時間 (エイ文庫)」 :->
by sekigawa88
| 2010-09-10 23:04
| lesson
|
ファン申請 |
||