2011年 05月 07日
構図の基本 その1
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さて、何もない白紙の状態です。
どこを見ますか?
心理テストではないのですが。
何もない空間だと視線は定まりません。
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小さな点が一つあると、視線はそこに集中します。
そして、その周りに注意はいかなくなります。
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その点が、右下に移動すれば、目線もそこに移動します。
この場合は、左上のほうには意識がむかなくなります。
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この点が矢印になるとどうでしょう。
何もない空間・左上を見るようになります。
最初に右下、次に左上と視線が移動します。
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矢印の到着点に、壁があると、視線は跳ね返ります。
1.右下
2.左上
3.中心、右下などに移動していきます。

これを美術用語で「視線誘導」と言います。
写真の場合の実例をあげてみましょう。
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真っ白い紙を撮りました。
なんだかわからないですね、どこを見ていいのやら。
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ほぼ中心に被写体をおきます。
視線は真ん中に集まりますね。
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さて、真ん中から右下に移動してみましょう。
視線は右下を注目して、左上のほうはおろそかになるでしょう。
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こうしてみるとどうでしょう。
被写体が左上を見ています。
これが上の図の矢印です。
視線の流れは、
1.右下 から 2.左上
へ移動します。
でも、これでは移動した視線の到着点がないので、
視線はうろうろとさまよってしまいます。
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壁を入れてみましょう。
右下から移動した視線が左上にあたり跳ね返り、
画面全体を見渡すようになります。

被写体が中心にある構図を「日の丸構図」と言い、
写真入門の本などでは、あまりいい構図と言われません。
理由は、その周辺に目線がいかなくなるからです。
長方形の画面なら、その隅々まですべて活用して画面構成をすべき、
ということです。
余白を活かすにしても、それが計算された余白であれば、
"いい構図"と言われます。
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これはロンドンのアンティークマーケットで買った絵で、
1941年にJohn Gilroyというアーティスが描いたギネスビールの広告です。
画面構成にまったく無駄がありません。
上からの飛行機、そして右から走ってくる人、
二つの大きな矢印が到達する場所は同じで、
1本のビール瓶です。
飛行機や人間に比べると小さい瓶ビールに、いかに視線を誘導させるか。
これは"完璧な構図"の例です。

構図を考える時に大切なポイントは、鑑賞者の目線を意識することです。
一枚の写真に、3つ以上の主題があると、見る人はどこを見ていいのかわからなくなります。
なので主題を一つに絞り、それを引き立てるための脇役をうまく配置します。
そのことで、鑑賞者は、画面全体を流れるように見ることができます。

さて、宿題です。

手元に漫画はありますか?
できればベテラン漫画家、売れている漫画家の作品がいいです。
新人作家との違いは、この視線誘導の上手さだそうです。
台詞を抜きにして、登場人物の目線をたどってみましょう。
右ページの上から左ページの下まで、流れるようにコマを追えるように、
構成されている筈です。
実際に見てみましょう。


(つづく)
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by sekigawa88 | 2011-05-07 20:50 | lesson


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