2015年 02月 04日
「奈良原一高 王国」写真展
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東京国立近代美術館で展示されている、
「奈良原一高 王国」写真展を見てきました。
2015年3月1日まで。

国立近代美術館公式サイト

展示の順路だと、
2階「王国 沈黙の園・壁の中」
3階「人間の土地」
となっていますが、
3階の「人間の土地」を見てから、
2階に降りるほうが制作時代順になります。

「人間の土地」は、1956年(昭和31年)に発表された作品で、
長崎の軍艦島で生活している炭鉱夫などを撮影したものです。

王国は1958年(昭和33年)に発表された作品です。
北海道のトラピスト修道院と、
和歌山県の女性刑務所を撮影したもの。
これらすべてに共通しているのは、
世間と隔絶した世界であるということ。
軍艦島は炭鉱の島なので、
その気になれば、”世間”にいつでも戻ることができます。
でも「王国」の2つは異なります。
トラピスト修道院は、自らの意思で、
世間と決別して、厳しい戒律の世界で生きる男性たちの場所。
そして、女性刑務所は、法を犯したペナルティで、
強制的に世間と隔離されている場所です。
この3つの特殊な世界を、
時に客観的に、時に感情を込めて撮影しています。

奈良原一高は、早稲田大学大学院で美術史を専攻していて、
撮る写真はどれも理論的な構図で大変美しく、
作品によっては、テーマの重さも忘れるほどです。

特殊な場所を撮るということで、
一般の生活をしている我々には関係ないことに感じるかもしれませんが、
日本の写真史に残る作品群ですので、機会あれば是非ご覧下さい。

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by sekigawa88 | 2015-02-04 23:40 | exhibition


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